座卓リメイク

座卓リメイク

以前、仏壇をリメイクしたり、花台を修理したお客様からのオーダーで、今回は座卓をダイニングテーブルにリメイクしたいとのことでした。

S邸 家具と建具

友人からの依頼で子供イスを作りました。 友人の希望は、以下のようなものでした。 ・四角を基調に ・子供が大きくなったら、踏み台や物が置けるように ・木の素材感 ・角のない柔らかい感じ

S邸 キッチン

去年(2018年)の春ごろだったでしょうか。 一通の問い合わせのメールから始まった仕事でした。 お客様のご自宅を新築するので、そこの家具を作って欲しいとのご依頼でした。   何かテーブルや棚でも作るのかなと想像しつつ、実際にお会いして話を伺うと、お客様はベテランの建築家さん、しかも作るのはキッチンや建具。   今までキッチンを作ったことはありませんでしたし、現場で大工さんと絡む仕事の経験も数えるほどでした。 ちょうどその頃、精神的にも落ち込んでいて、木工を辞めてどこか就職したほうがいいんじゃないかと、思い詰めていた時期でした。 気持ちが不安定な状態で、この大変な仕事を乗り切れるのだろうか。   そんな感じだったので、一度はこの仕事を断ろうとしました。 ですが周りの人達や家族の助けもあって、何よりお客様の私を信じる力に後押しされ、この仕事を引き受けることにしました。   お客様も、勇気がいったと思います。 建築家の自宅を作るって、その人の建築理論の集大成的な意味があるから、大事だと思うんです。 その大事な機会に、何の実績もない私に仕事を頼むわけですから。   引き受けたからには、期待を裏切らないようにと、それから半年近く打ち合わせや、図面製作に費やし、なんとか2018年の暮れ、もうすぐ正月という頃に完成したのでした。   前置きが長くなりましたが、このページはその新築のキッチンの紹介です。 キッチンのカウンター台と吊り戸棚の扉は、寄木して作ってあります。 家自体が斜めを多用しており、フローリングや天井の梁も斜めになっています。 その「斜め」を家具にも取り入れて、三角形が並んだような模様にしました。   寄木の材料もまた珍しいのですが、これ全部ラワンの古材です。 長くなるので、ラワンについては次の家具、建具のページで説明することにします。   カウンタートップと、棚、引き出し箱内部は、Fenix ntmというイタリア産のメラミンを使っています。このFenixも素敵な材料で、マットな質感と微妙な色合いがなんともいえず、いいんです。 見えない部分にこのFenixを使うなんて、粋な感じがしますよね。   私が作れない部分は、木工所に勤める友人に手伝ってもらい、アイアン部分はお馴染みのThorns D&Cに作ってもらいました。   次の家具、建具ページに続きます。

座卓リメイク

実家にある座卓をリメイクして、新居のダイニングテーブルとして使いたい、というお客様からのご依頼がありました。   ご実家が遠方だったのですが、ちょうど正月で帰省された際に写真をお願いし、まずは写真を送っていただきました。 立派なケヤキの座卓でした。 写真を見ながら、デザインとお見積りをしました。   なるべく元の形をいかしつつ、小さいお子さんがいるとのことで、天板の角と、脚の外側の角は丸みをつけました。 脚だけ、新たに作り、テーブル金具で固定する方式に。 幕板を金具に合わせて、厚みと幅を持たせました。   天板は一度全部バラして、留の角度を修正してから、再接着。 塗装はすべて落として、着色せずにそのままセラウッド塗装です。 天板の1枚板には節があって、穴が空いていたので、その穴は樹脂で埋めました。 ケヤキの力強い木目もまた良いですよね。   今回のリメイクにあたり、脚はすべて新しい材料で作りなおしたので、元の脚がそのまま残っていました。 その脚も使って、何か作りたいとのことで、小さな座卓とスツールを提案。 小さな座卓を作ることになり、新たに天板と幕板をケヤキで作りました。 お子さんが勉強できるように、高さを少しあげて欲しいとの要望を受け、脚の先にブロックを足してかさ上げしてあります。 勉強するなら、小さなぐらつきも気になるだろうと、アジャスターも埋め込みました。

作業台

以前にベンチをお作りしたお客様から、新たな依頼がきました。   お客様はアクセサリー作家さんで、ご自宅で作業する時はテーブルの上で作業しているのですが、ちょっと作業を中断して、休憩なり他のことをする時もそのテーブルを使えるよう、そのテーブルにかぶせて使えるような作業板を作って欲しいとのことでした。   使わない時は折りたたんで、しまっておける。 板を広げた状態でロックできるような機能をつける。 テーブルの天板にかぶせた時に動かないよう、サイズを合わせて、両端に出っ張りを設ける。   そんな条件で、工房に余っている材料など、なんでもいいとのこと。 今回は構造的に無垢の木材で作るのは大変なのと、作業用なので掃除しやすいほうが良いと思い、ポリランバー合板を使いました。   板を広げた状態でロックするために、パッチン錠を裏側に仕込み、作業する表側の面はミシン蝶番を使って凸凹がでないようにしました。   作業自体は簡単なものですが、設計から実際に完成させるまでを1日で終わらせるというのは、かなり大変で難しかったです。実際1日じゃ終わらなかったですし。   私の好きな作家さんでマルチーノ・ガンパーという人がいて、100日100脚という有名な展覧会があるのですが、彼は1日に1脚のペースで作り続けたそうなんです。 とても信じられない。

サイドテーブル

テーブル、カゴなど毎年ご注文をいただいているお客様からのオーダーでした。   今回のお題は、赤ちゃんのようなサイドテーブル。 丸っこい感じをイメージされているようでした。   お話を伺ったのち、私の方でいくつか形を提案させていただき、予算との兼ね合いも見ながら、最終的に写真のような形が採用されました。 参考にしたのは、アフリカの民芸品です。   材料はブラックウォールナットを使いました。 この材料は以前、同じお客様にお作りしたテーブルの材料です。 完成したテーブルを配送したところ、配送事故によりテーブルの脚が折れてしまって、もう一度作りなおしたことがありました。 その脚が折れたテーブルの材料は、いつか使うだろうと取って置いたのですが、今回無事に使うことができました。   テーブルの脚や天板の材料を、貼り合わせながら形を作っていきます。 苦労したのは脚の付け根部分です。 ここをなるべく脚と天板が一体に見えるようにと、あれこれ悩みながら加工しました。   写真では伝わらないですが、このサイドテーブル、手触りがすごくいいんです。 特に木口部分がほんとうに赤ちゃんみたいな、吸い付くような肌触りです。 丸っこい形のせいもあって、つい撫でたくなるサイドテーブルとなりました。   この肌触りを活かすために、天面のみセラウッド塗装にして、側面はオイル塗装にしました。

AVボード

私としては珍しくブラック塗装の家具を作りました。 AVボードを作って欲しいとのご依頼で、完成イメージや簡単な図面までお客様がご用意されてました。   なので、今回は図面通りに作るのみで、設計はしませんでした。 私が提案したのは、底にアジャスターを埋め込むことぐらいです。 完成イメージのCGや図面など用意されていたので、そういった仕事をされているのかと思ったら、全然関係なく、世界を飛び回るビジネスマンでした。   お客様こだわりのオーディオセットがあり、それのスピーカーにあわせて表面を仕上げてほしいとのこと。 お客様と同じスピーカーの実物を電気店まで見に行き、アッシュ突き板合板にブラックつや消しウレタン塗装としました。 写真では判りにくいですが、黒色の向こうにうっすらとアッシュの木目が見えます。   着色塗装も、これはこれで難しいですね。 着色するので誤魔化せる部分もあれば、着色することで目立ってしまう部分もあって、着色する前にそれらを見つけるには、ある程度経験がないと気づけないもんです。   納品は配送業者に任せたので、お客様のご自宅には伺えなかったのですが、後日お客様から設置した写真が送られてきました。 裏側の配線溝のおかげで、配線もスッキリ。 とてもおしゃれで良いですと、お客様も気に入っていただけたみたいで、私も嬉しいです。

木べらと木のスプーン

あるイベント用ギフトとして、木ベラとスプーンを作りました。   オーダーしていただいた方は、私の古くからの友人で、私が映像を作っていた頃にお世話になった人でした。彼女が企画しているイベントのギフトを考えているときに、木工作家として働いている私のことを思い出したらしく、ひさしぶりに連絡が来たのでした。   作ったのは木ベラ200本にスプーン10本。 最初はスプーン200本だったのですが、予算的に厳しく、作りやすく手慣れている木ベラにしてもらいました。   しかし、これだけの数を一気に作るのははじめて。 しかも材料はヒノキの間伐材が支給されました。 いつもは広葉樹で木ベラを作っていたので、柔らかい針葉樹で節もたくさんあるヒノキには苦労しました。   節にも生き節、割れ節、抜け節など、その状態によって種類があります。 料理用の木ベラなので、穴や割れが入っているのは使いにくいだろうと、生き節の部分のみOKとして、木取り加工した材料を選別。   選別後、お湯で温めて曲木をするのですが、この曲げる工程で節の部分が耐え切れず割れてしまうものもありました。 結局、50本くらいは使い物にならずだったかな。   何はともあれ、なんとか作りあげ、無事に納品。イベントも滞りなく終わったようで、よかったです。 出来上がってみると、節がいい感じ。曲がり方も節の位置によって様々でした。 間伐材ならではの味じゃないかなと思います。

ナラのベンチ

ベンチを作って欲しいとのオーダーが入りました。   ベンチの下には収納として箱を入れたいとのこと。 初めはベンチ下の箱も含めてお作りする予定でしたが、予算があわず、ベンチのみの制作となりました。   こういったベンチが欲しいという具体的なイメージが最初からお客様がお持ちだったので、それをもとに図面を起こしました。 ベンチ下に収納箱を入れるため、ベンチの裏側には貫などは入れたくないのですが、強度を考えるとどうしても補強は欲しいところ。   予算があまりないこともあり、お客様とも相談して、図面の段階では最低限の貫を入れてビスで止める方向に落ち着きました。 なんですが、せっかく作るんだし、自分の腕を磨くためにもと、制作直前で蟻組みにすることに変更。 蟻組みにしたことで、接合部の強度があがり、結果貫は止めました。   材料はお客様のイメージから、ナラを選んでいます。   木と木の接合部分は、毎回悩むところですが、今回は組手にして良かったなと思います。 組手の強度の高さを思い知りました。 この先このベンチが刻んでいく何十年を思うと、自分の数日の手間なんて大した事ないですよね。   「神は細部に宿る」ってコルビジェの言葉でしたっけ? いつも物を作っている時に思い出す言葉なのですが、きっとこのベンチの蟻組みにも神様が宿ってくれると信じています。

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