桐たんすのリメイクをしてほしいとご依頼をいただきました。
お客様は愛知県のほうに住んでおられ、私のサイトを見てご連絡いただきました。
遠方なので、全てやりとりはメールでおこないました。
この桐たんすは、お母様から譲り受けた60年以上前のものだそうです。
引き戸には皮細工が貼られ、縁材には黒柿が使われていて、とてもおしゃれなタンスだったろうなと思います。
お客様のリメイク後のイメージは英国風にとのこと。
具体的な写真も送っていただき、ほぼそれをベースにリメイクしました。
引き戸の部分は、皮細工を剥がすと、骨組みが細すぎて、ガラスをはめるには弱かったので、新たに作りました。
既存の黒柿の縁材のみ剥がして、再利用してあります。
タンス全体を削り、きれいな表面を出した後、背や底板の割れも補修。
基本的な修理が終わったら、縁をモールディングした天板と地板をかぶせてます。
英国風とのことで、塗装も今回はシェラック塗装をしました。
シェラックは日本でいう漆みたいな存在で、古くからある天然素材の塗装方法です。
前から気になっていたので、お客様の了解も得て、挑戦することに。
この赤っぽい茶色は、桐の下地を着色したわけではなく、シェラックの色なんです。
塗装は手間がかかって大変でしたが、仕上がりはやっぱり独特ですね。
これが経年でまた味が出てくると、一層良くなるんだと思います。