和家具のリメイク| decci でっち家具研究所

interest

私は早稲田大学理工学部卒業後、大学職員をしながら映像作家として活動していました。2011年に転機を迎え、城南職業訓練校で木工について学び、現在は東京大田区にて工房を構え、木で何かを作る毎日を送っています。
私の工房の隣には、箪笥屋の3代目の職人さんのお店がありました。職業訓練校を卒業してすぐ独立してしまったため、私はその人を勝手に師匠と仰ぎ、色々と仕事や技術について教えてもらいました。
その影響か、和家具への興味が強く、「世界で一番かっこいい家具は桐箪笥」とまで思っています。

editing

木工職人として独立する前は、映像を作っていました。
映像を作ると言っても、その中には色んな仕事があり、それぞれ専門職があります。その中で私が好きだった仕事が「編集」です。
編集の仕事はよく料理に例えられますが、まず決められた素材があり、それをいかに調理するか、を考える仕事です。
あれこれ考えるのが好きな私は、制限の中でいかに結果を出すかという世界に惹かれ、取り憑かれたかのように編集作業をしていました。
これは私の特性だと思います。

remake

そんな私ですので、「編集」の要素が強い家具のリメイクという仕事をメインとしております。
家具のリメイクは、再編集と言ってもいいかもしれません。まず、ある家具という作品があります。それは、誰かが木を削り、編集した作品です。
それを、いったんひとつひとつの部材まで分解して、部材それぞれの形を変え、時に部材同士をくっつけて別の部材とし、それをまた組み立て直す。
木という材料の都合、つけるべき機能、求められる外観、それらがうまく共存するような最適解を限られた部材を使って実現する。
私のやるべき仕事だ、と思います。

contribution

家具のリメイクをするもうひとつの側面、それは社会貢献です。
前述したように、隣の師匠の影響で和家具に興味を持った私ですが、その後、昔は日本の全世帯に広まった箪笥や座卓がどんどん捨てられている現実を知ります。
確かに、置くスペースも用途も、現代の住宅事情に照らし合わせると、必要のない家具とされるのも頷けます。
それにしたって、もったいない。箪笥に使われる桐や欅、座卓に使われる唐木は、世界的に見ても貴重でユニークな素晴らしい素材です。

come up with

社会貢献と言いましたが、私は小さい頃からもの作りが好きで、色々と作ってきました。作ることしか能がない人間です。
そんな人間が社会にどう貢献できるか、考えることがあります。
それは、作り手にしかわからない素材の良さをアピールし、それを使い続けていく実例を作っていくことじゃないかと。
大量消費社会が批判され、持続可能性が叫ばれる世の中ですが、日本人は昔から工夫して物を、もしくは素材を使い続けてきました。
それは日本人に限らず、人間である限り、みんなしている事だと私は思います。
その工夫をしたいと思っているお客様のお手伝いを、私にさせてください。