ちょうど南製作所ギャラリーにて展示をしている頃、歯医者の受付カウンターを作ってくれないかと連絡がありました。
急な話で、納期も1ヶ月半しかありません。まずは話を聞きに現場調査を兼ねて、現場へ打ち合わせに行きました。
ビルの1フロアを改修して歯医者にするそうで、現場は工事の真っ最中。
まだ壁も出来ておらず、軽鉄の骨組みがあるだけです。
とりあえず図面と現場の骨組みから、必要なサイズを打ち合わせしました。
特にこんな形でというイメージがあるわけではなく、形は提案してほしいという事だったので、まずは一般的な受付カウンターのモデルを作って提案しました。
それを見て、何かもっと印象に残るような、空間のポイントとなるような感じにならないかな?とのこと。
あまりに情報がないので、何かヒントをくださいと、聞き出したキーワードが「男性的」。
その男性的という言葉から連想して、最初のイメージが生まれました。
私の最初のイメージは、石切場でした。どこか彫刻を感じさせるような、石切場をモチーフにした受付カウンター。
そのイメージを実際にモデルに落とし込み、提案しました。
お客様は斬新な形だ、と最初は驚かれましたが、この方向で進めることに。
次は、どうやって作るか、使い勝手はどうか、形の細かい部分の調整に入ります。
モデルを直しては提出を4、5回繰り返し、2週間後にようやくGOサインが出ました。
納期まで残りは1ヶ月。
私1人では作りきれない作業量なので、友人の木工職人に外注することにしました。
私はカウンターの天板を作り、それ以外のメラミンを使う部分はお願いすることに。
今回の天板は、パッチワークです。単純な幅接ぎではないので、時間がかかります。
また、天板の厚さも60から25mmとバラバラです。
形もバラバラなので、地道に1つ1つ、木を接着して組み立てなければいけません。
とっても大変でしたが、なんとか納品日までには形にすることが出来ました。
友人も頑張って仕上げてくれて、無事に設置も完了。
独創的な受付カウンターが作れたと思います。
w220cm x h90cm x d120cm
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クルミ、クリ、カバ、