2016, office interior
事務所の内装
size
-
price
¥1000,000
Material
スギ、古材、キリ、ヒノキ、鉄
ペダルを踏んで、ビス揉んで。
横浜のメッセンジャー会社クリオシティの新事務所の内装を手がけました。
角地の1F、道路側は一面ガラスサッシという物件で、最初はこのガラスを活かした内装を考えていました。しかし、会社の事務所ということもあり、道路を通る人の目線が気になる、ある程度の数のテーブルを用意したい、ということで道路側のガラスサッシのすぐ手前に壁を作り、その壁の内側にずらっとテーブルを並べるといプランにしました。
道路との関係を完全に断ち切らないよう、また採光も考えて、壁には障子を入れました。これでぼんやりと外の様子もわかり、かつ視線も気になりません。西日が強い立地だったので、強い日光も障子で和らげる事が出来たと思います。また写真にもありますが、夜になると障子から灯りが漏れて、このオフィス自体が前の道路の間接照明の役割を果たします。現代では障子越しの灯りを見る事も少ないですから、夜ここを通る人達が、このオフィスを見て和んでくれたら嬉しいです。
recycle
この内装の特徴としては、床と壁以外、ほぼリサイクルした家具や木材という事です。
まず、中央に設置した大きな打ち合わせテーブルは、私の工房にあったナラ、タモ、サクラなどの端材を組み合わせ作りました。メッセンジャー会社ということで、メッセンジャーにまつわるグッズを樹脂で固めて天板の一部としています。
table & light
そのテーブルまわりに置いてあるスツールは、この会社の社長さん宅にあった不要になったローテーブルの一部です。IDEEのローテーブルだそうで、購入された時の価格はウン十万。さすがに贅沢なしっかりした作りだったので、事務テーブルの脚とスツールに姿を変えました。
打ち合わせテーブルの上に吊るされている照明は、元々は桐のお琴でした。お琴のカーブをそのまま活かし、照明器具にリメイクしました。桐は軽い上に、燃えにくいので、照明としても向いていると思います。
locker
収納として使われる、よくある白い事務ロッカーも、そのままだと味気ないので、表面に木を貼りました。木そのままだと、面積が多いためカントリーっぽい雰囲気になってしまいます。それを避けるため、木そのままではなく、漆喰を塗ったり、ペンキを塗ったりして、色をつけてあります。
壁際に並んだ事務テーブル、その天板の上には2段の棚があるのですが、それら天板と棚板もすべてリサイクルです。8台分の天板と棚板ですので、結構な量の板が必要だったのですが、私の手持ちの古材や天板をかき集め、なんとか新しく木は買わずに済みました。
シンクや水周りの壁は、元々お弁当屋さんだったため一面ステンレスが貼ってありました。そのステンレス部分には壊れた桐たんすからとっと薄い桐の板を、タイル状に加工し、貼付けてあります。