S邸 キッチンのページからの続きとなります。
このページでは、リビングの扉、窓の縁側台、洗面台、ハンガーラックのご紹介です。
リビングの扉、窓の縁側台、洗面台も、それぞれラワン古材を使っています。
ラワンというと、下地のイメージが強く、家にはたくさん使われていますが、なかなか表には出てこない材です。
そのラワンをこの家では化粧として使っているのです。
建築家ならではの素材の使い方だと思います。
そして、私の工房には、たくさんのラワン古材がありました。
それらは私が古い家具をバラして、ストックしておいたものです。
昔の家具にはよくラワンが使われていました。昔はラワンがよくとれたので、値段も安かったからです。
そういった昔の家具をもらってきては、何かに使えるだろうととっておくのですが、なかなか出番がありませんでした。
それらを今回、ついに使うことができました。
しかも、このラワンの家では、完全に主役です。
ラワンの古材達も、こんな舞台で使われて、喜んでいると思います。
ラワンといっても色々な表情があることに、今回気づきました。
特に赤ラワンと呼ばれる赤みの強いラワンは、今ではもうとれなくなっていて、無垢材としては手に入りづらいのですが、それら赤ラワンの表情は独特のものがあります。
逆にラワンだからこそ、これだけ同じ材料を家中に使っても変化のある雰囲気に仕上がったんだろうと感じています。
ラワンの魅力、再発見ですね。
ラワンに対して造詣が深まった今回の仕事ですが、それ以外の部分でも多くの学びがありました。
はじめての事だらけだったので、学びしかないとも言えます。
窓の縁側台などは、壁を作る前に作業しないといけなかったので、大工さんに混じって現場でラワンを張り合わせていきました。
変わった家なので、大工さん達も作るのが大変そうでしたが、その一員として作業したこと。
建築家の施主さんとのやりとり、Fenixという新たな素材との出会い、キッチンや洗面台など大工さんと絡みながらの仕事などなど。
制作は正直とても大変でした。ですが、それ以上に良い経験と、出会いと成長があった仕事でした。
そう、お気づきかもしれませんが、今回、写真もプロのカメラマンにとってもらいました。
自分の作った家具を、プロのカメラマンに撮ってもらうのも初体験。
写真もさすがの出来栄えで、ご好意により私のサイトにも載せさせていただきました。
写真右下にコピーライトが入っているのがカメラマンさんの写真で、それ以外は自分で撮影したものです。
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ラワン古材、Fenix ntm