お客様からテーブルを見にきてほしいと連絡があり、見にいってきました。
行ってみると、板厚のどっしりとした白っぽいテーブルでした。
お話を伺うと、それはタイで買ってきたテーブルだそうで、20年ぐらい前の事だそうです。
日本に持って帰ってきて、すぐ天板にヒビが入ってしまったそうです。(Before写真参照)
日本は乾燥しているので、湿度の高い国から日本に持ってくると、木が縮んでヒビが入ることはよくあります。
ご自分でひび割れのところにパテを埋め、天板にビニールカバーをかぶせて使われていました。
もし天板が直るようなら、脚の形も変えたいとのこと。
天板の高さが少し高く、また座った時に足がテーブルの脚にあたり、気になっていたそうです。
脚の形は、いくつか提案した中から選んでいただき、リメイクすることになりました。
一つ懸念点がありました。ちょっと変わった色というか、全体的に白っぽい着色がされていて、この白っぽさ具合を再現できるか不安でした。
お客様には、その旨をお伝えして、もしかしたらこの色を再現できないかもしれない、似た感じに仕上がるようにベストは尽くします、と持ち帰ってきました。
いざ、作業に取り掛かり、まずは脚をバラして加工していきます。
新しい脚は、元の脚を材料に使います。脚の部材をカットしてみると、おや?
木の色が思ってたより、濃い茶色なんです。そして、油分を多く含んでいます。
チークみたいだな、と思いました。
でも、チークだったら高級な木材だし、こんな白っぽく着色なんかしないだろう、と半信半疑。
カットした断面も、緑っぽい部分があったりで、タイで買ったって言ってたから、名もなき南洋材なのかなーと思ってました。
ちょうど、その時、お世話になっている材木屋さんが来ました。
すごく木に詳しい人で、木について毎回教わっているので、この木が何か聞いてみました。
すると、これはチークじゃないかな、とのこと。
え!やっぱりチークなんですか!?と驚き、でも、これ緑の部分もありますよ?と聞くと、
チークは切ったばかりは緑なんですよ、これ太陽光にしばらく当ててみてください、茶色になりますから。
言われた通り、その緑の部分を太陽に当ててみました。数時間後、本当に茶色になってました。すごーい。
天板も塗装を剥がしてみると、脚と同じ材料、つまりチークでした。
せっかくのチークなのだから、白く着色するのはもったいない。
お客様に連絡し、これチークだから、着色せずに木の色そのままテーブルにしませんか?と提案。
だいぶ雰囲気は変わるので、家族と相談してみますと、迷われていましたが、結局着色はしないことに。
テーブルが完成し、納品しに持っていくと、生まれ変わったテーブルの姿に驚かれていました。
これがあのテーブルとは思えない!もっと早く頼めばよかったわ。と喜んでいただきました。
このひび割れた天板の修理は思ったより大変だったのですが、喜んでいただき、嬉しかったです。
w180cm × h70cm × d90cm
¥200,000
チーク