2021, display wagon

展示ワゴン

size
w100cm × h190cm × d60cm
price
-
Material
イタヤカエデ、ステンレス

無垢材を使う制限の中で

葛西臨海水族園で2022年にオープンした特設展「いきものまぢか」。
この特設展に設置される展示ワゴンを作らせていただきました。
ガイドさんがゾゾゾっとする生き物の解説をするためのワゴンです。

スタッフの方々と何度か打ち合わせを重ね、イメージを練り上げていきました。
ワゴンを作るにあたり、条件は以下のようなものでした。
・引出しをつけて、その引出しの中に標本を仕込めるようにしたい。
・引出しを引いた時に落ちないように、内部にストッパーを入れたい。
・その引き出しには鍵がかかるようにしたい。
・実際に動かせるように車輪をつけてほしい。
・ワゴンの裏側、ガイドが立つ側は、資料を入れておく収納をつけたい。
・解説の時に物が置けるように、天板を延長できるようにしたい。
・案内の看板が吊り下げられるように屋根のような骨組みをつけたい。
・特設展の全体の雰囲気に合わせた感じにしてほしい。

これらの機能を満たしつつ、会場の雰囲気を邪魔しないようシンプルに見せるのは、結構大変でした。いくつかの閃きがあって、この形に行き着いたので、私としても愛着のあるワゴンになりました。
葛西臨海水族園の方々にも喜んでいただき、私も嬉しかったです。

特設展の謝辞にも私の名前を入れていただき、なんだか恐縮です。

コロナの影響で、特設展のオープンが延期になっていたのですが、2022年末、無事にオープンされたとのこと、おめでとうございます。

  余談ですが、この仕事の打ち合わせの際、水族館の展示を見させていただきました。

前から魚は好きなのですが、久しぶりの水族館だったのもあり、魚の美しさに感動しました。

あの形といい、色使いといい、すごいです。

もう実際に生きてるもんだから、なんでその形なの、なんでその色なのっていうのが、文句が付けられないというか、説得力がすごいですよね。

美しい魚たちに比べ、私が作るもののなんて幼稚なことよ。

もう一つ余談。この特設展が終わり、このワゴンが役目を終えた時には、このワゴンを長手方向に真ん中で二つに切っちゃいます。
そうすると、引き出しのたくさんついた収納と、引き戸の収納が二つできます。それらを重ねたり、横並びにしたりして家具として使えるように考えてあります。もし担当者の方が覚えていたら、捨てずに再利用お願いします笑

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