2021, chikin cage
鶏小屋
size
w140cm × h190cm × d140cm
price
¥250,000
Material
古材、ヒノキ
ニワトリさんの家
鶏小屋を作りました。
私としては珍しい仕事ですが、私がまだ独立して間もない頃に注文いただいたお客様で、古材を使って鶏小屋を作ってくれるところを探していて、私の事を思い出していただいたようです。
お客様がストックしてあった古材がいくつかあって、それを材料として利用したいとのこと。
構造部材は新しいヒノキの角材で作り、扉や壁の板、間柱などに古材を使いました。
特に扉は2枚の欄間を張り合わせた鶏小屋にしては立派な扉になりました。
idea
柱を細めの60角としたり、上部は板壁ではなく金網を貼ることもあり、構造部材の接合はホゾ組みとしました。
今後、バラすかもしれない事も考え、接着剤は使わず、ホゾとネジで固定してあります。
筋交いなど補強を入れる必要もないくらい強度が出たので、見た目もスッキリしました。
challenge
鶏小屋作りは初めてだったので、私なりに本を買ったりして勉強したのですが、お客様からもオススメの本があるとお貸しいただきました。
北海道で廃材で小屋を作られている方の本でした。
不揃いな廃材を使うからこそ、どこにどの材料を使うかは作りながら考えるという、面白い考え方の本で、共感するところも多かったです。
material
タダでもらってくる廃材だけども、廃材を使える材料にする手間を考えたら、新しい板を買ってきて作った方が早いし楽にできる。
単純にお金で考えたら、新しい材料で作った方が安く上がったりする。それでも廃材を使って作る、そこにどんな意味を見出せるか、そんな本だった気がします。
お客様からも自分でやれる部分は作業しますのでと言ってくださり、金網張りや地面と小屋との隙間埋めなどお願いしました。作業中も手伝っていただき、お昼ご飯もご馳走してくれたり、お子さん達が作業を見に来たり、なんだか和やかで楽しい組み立て設置作業でした。
お客様もご自身で色々と作られる方のようで、どんどん鶏小屋を改造してもらえればと思います。
納品した家具を、大切に使いますと言ってくださる方もいて、それはそれで嬉しいです。
ですが、私が作ったものにお客様が手を加えて使うというのも、お互いの想像力が合わさったような気がして、私は好きです。
ちょうど私の工房引越しの直前に話があったので、完成に至るまでお待たせしてしまったのですが、その間にすっかり鶏さん達が大きく成長していたのには驚きました。
鶏さんも気に入ってくれてると良いな。