家具のリメイク1
さて、リメイクについても少し話せればと思います。 仏壇に限らず、桐たんすや洋服タンスなど、家具のリメイクについてです。
リメイクの作業は、映像編集に似ていると思うのです。 私は家具を作り始める前は、映像を作っていました。 映像を作るにあたり、編集作業は欠かせないのですが、映像を作っている人でも、編集作業は好きじゃないという人が多かった気がします。とにかく時間がかかるし、地味な作業の連続だし、その大変さがあまり理解されないし、好きじゃないといのもわかる気がします。 でも、私はその編集作業が好きでした。
編集作業の魅力は、その難しさにあると思います。 手元にある素材だけで、いかに目標を達成するか、いかに期待以上のものを作るか、答えのないパズルをしているよう。googleに聞いても答えはありません。自分で考えてなんとかするしかない。
使う素材を隅々まで把握し、それらの組み合わせの可能性を頭の中で考え、希望する形に素材を加工し、最適なタイミングでそれらを組み合わせる。 手も忙しいし、それと同じくらい頭の中も忙しいです。
そんな面白さが家具のリメイクにもあると思います。 オーダーメイドは作りたいものに最適な木材を、数ある選択肢の中から選べますが、リメイクの場合、そのリメイクする家具が材料となります。その家具はお客様の思い入れが詰まったもの、替えはありません。だから失敗しちゃいましたは許されない。
そんな緊張感のなかで、絶えず完成のイメージを頭のなかで描きながら、これはここに使える、ここはこっちの部分から持ってこよう、と頭を使いながら作業します。 時にはアイデアというか閃きもあって、材料の思いもかけない使い方を思いついたり、こうすればもっと良くなるぞと、作業をしている最中に予定を変更したりします。
私はリメイクのような、頭を使いながら手を動かし、考え続けることによって閃いたアイデアを活かしていける仕事が好きなのかもしれません。
次に続きます。もう少し、リメイクについてお話させてください。